「退屈な文章」があなたの価値を台無しにする大量に送るメールこそ、型通りではいけない|マネブ

マネブNEWS:〔2017.12.14〕日テレ「先僕」が描く、学校のリアルな課題「HER 現在の記事数:252855件

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「退屈な文章」があなたの価値を台無しにする大量に送るメールこそ、型通りではいけない


今回は、「ちょっとだけ差がつく」文章についてお伝えします(写真:マハロ / PIXTA)文章を書くことに苦手意識を持つ人は多いものです。しかし、ビジネスでもプライベートでも、文字コミュニケーションが必要なシーンは、ますます増える一方。もし書ける力があれば、強い武器になります。ではどうすればいいか? 「ビジネスで必要な文章を“速くわかりやすく書く”のに、文才は必要ありません」と言うのは、書籍ライターとして、業界でも最多に近い年間10冊以上の書籍ライティングを手がける佐藤友美さん。発売即重版したビジネスノンフィクション『道を継ぐ』をはじめ、あらゆるジャンルの人の言葉をわかりやすくまとめてきたライターだけが知っている、ちょっとしたテクニックを紹介してもらいます。ちょっと差がつくビジネス文書この連載の一覧はこちら

取引先へのメールや会議に出席したときの報告書。なかなか差をつけにくい仕事上の文書ですが、「この人のメール、いつも楽しみ」とか、「この人の報告書、なんだかセンスがいいな」と思わせる文章はありませんか?

いったいどこに秘密があるのか。仕事柄、「記憶に残る文章」を長年研究し続けている筆者の経験から、今回はそんな「ちょっとだけ差がつく」文章についてお伝えしたいと思います。

ポイントは3つ

・あなたにしか言えない情報で価値をあげる・その場にいた人しかわからない情報で価値をあげる・“犯人”しか知らない情報で価値をあげる

を意識することです。

今の時代は、ネットで検索すればいくらでも簡単に情報をとれる時代です。だからこそ「あなたにしか言えない情報」が、価値をもちます。日頃実感している人も多いのではないでしょうか。

たとえフォーマットが決まっている文書であっても、たった一言「自分しか知らない事実」を添えることで、そのビジネス文書は生き生きとしてきます。

「あなたにしか言えない情報」を加えると価値があがる

■お礼のメールで差をつける

お礼のメールの場合で考えてみましょう。

たとえば、他社の人や社内の他部署の人にヒアリングをさせてもらった場合。「ありがとうございました。とても参考になりました」というように書くこと、よくありませんか? でも筆者が思うに、それがいちばんダメな書き方です。それは、あなたでなくても書ける言葉。それでは何も言っていないのと同じです。

一例をあげるなら、「スピード感をあげるために、現場でアナログなメモを活用されていることが特に勉強になりました」などと、具体的に一言添えるだけで、その情報の価値があがります。それはあなたにしか言えない言葉だからです。

相手にとっても「ああ、そこが響いたのか」「話してよかったな」と思ってもらえるメールになります。

これは、講演の感想を文章で伝えるときなども同様です。

「たいへん感銘を受けました」といった感想がよくありますが、これでは情報ゼロです。こういった誰にでも書ける(下手をすると参加しなくても書ける)内容では、せっかく書いても何も伝わりません。

「スタッフのモチベーションを上げるための動画活用の話にたいへん感銘を受けました。わが社でも早速提案してみます」などと書けば、先方へのフィードバックになって喜ばれます。あなたの印象も強まるでしょう。

内容が最も重要ですが、タイミングにも気を配るといいでしょう。

筆者に“目から鱗”の方法を教えてくれた方がいました。その方は、講演が始まる前にお礼のメールを書き上げておき、講演終了後に上記のような「一行感想」を追加して、その場ですぐメールするというのです。講演者にとっては、ありきたりでないコメントが、「こんなに早く届くなんて」と、きっと目にとまるはずです。

その方法を教えてくれた方は、「一行感想以外は、フォーマットを作って毎回コピペしてもいいくらいだ」と言っていました。それは裏を返すと、あなたならではの感想をつけなければ、コピペレベルの「価値のない」メールだということです。感想を付け加えることで、はじめて「あなたにしか書けない」情報が付与され、価値が出るのです。

誰かに勧められた書籍を読んだり、著者本人に書籍の感想を伝える時も同じです。ただ「勉強になりました」と書くのではなく、「●ページの言葉が響きました」と書くと、「この人は、しっかり読んでくれたのだな」と感じてもらえます。

「そんな簡単なことでいいのか?」と思われるかもしれませんが、ふだん講演や書籍についてたくさんの感想をいただく身としては、8割以上の人はこれをやっていないと感じます。

単に「よかったです」「感動しました」といった感想は、何も伝えていないのと同じこと。1行でいいので、「あなたにしか言えない」言葉を足しましょう。

「その場にいた人しかわからない情報」を書く

感想を添える以外にも、日頃の文書にちょっとした差をつけることはできます。「その場にいた人だけが知っている一次情報」を付け加える、という方法です。

■一次情報に「価値」がある

1つ例をあげます。

先日新聞記者の知り合いが、いい原稿の例として、高校野球の地方大会決勝戦についての記事を見せてくれました。そこには、スコアや試合の経過に加えて、「辛くも敗れた名門S高校の選手たちに一切の涙はなく、晴れやかな笑顔だった」と書かれていました。

スコアや試合経過は検索すればすぐにわかるでしょう。でも、この「接戦で敗れた選手たちが泣かなかったどころか、笑顔だった」というのは、その場にいた人しかわからない事実です。新聞記者の彼曰く、こういった一文が、わざわざ現場まで行って取材する価値だというのです。これこそ、「その場にいた人だけが知っている一次情報」です。それが意外な事実であればあるほど、文章の価値があがります。

■報告書で差をつける

これを応用してあなたのビジネス文書の価値をあげてみましょう。

たとえば取引先のパーティに出席した際の報告書。「300人が参加して盛況だった」と書くのでは、その場にいなかった人でも書ける内容になってしまいます。そうではなく、「社長が『3年前に倒産の危機を迎えたとき、それを超えられたのは今日会場にいる300人のお陰だ』とあいさつし、参加者の中には涙ぐむ人もいた」などと書けば、文章を読んだ人にも臨場感が伝わります。

たった一文追加するだけですが、このような報告書は読む人に「わざわざ読んだ価値があった」と思われる効果があるのです。

報告書を読んだ人が次にその取引先の人と会ったとき「パーティ、盛況だったそうですね」と言うのと、「パーティでの社長のあいさつが感動的だったそうですね」と言うのでは、その後の会話の広がり方が変わります。

これが、あなたがわざわざその現場に足を運んだことで生み出した報告書の「価値」になります。

「犯人しか知らない情報」をまぶすと価値があがる

最後に紹介したいのは、「犯人しか知らない情報」をまぶすことです。実際に経験した当事者しかわからない五感を交えた情報は、何にもまして価値の高い情報です。

人は、自分の代わりに時間を割いて何らかの体験してくれた人からの情報に価値を見いだします。ガジェットの新商品レビューにアクセスが集まるのも、YouTubeの「やってみた」動画の再生回数が高いのも、この原理です。

ビジネス文書でも、この「経験した人にしかわからない情報」をまぶしていきましょう。私は、このような情報を「犯人だけが知っている情報」と呼んでいます。といっても、これは私が創作した言葉ではなく、島田紳助さんの言葉です。

■当事者にしか言えない「証拠」

以前、島田紳助さんが、オール阪神巨人さんの漫才について話をしたことがありました。その中で紳助さんは「阪神巨人さんのすごいところは、観客に漫才の設定を信じさせてしまうことだ」と語っていました。

阪神巨人さんの漫才はよく「この間、1万円拾ってんねん」といった状況設定から始まります。そして、その話は「雨が降ったからだと思うけど、その1万円、ぴたーっとアスファルトにくっついてんねん」と続きます。

この「ぴたーっとアスファルトにくっついていた1万円」という、現場にいないとわからないような表現が、「犯人だけが知っている情報」です。

こういった情報が「証拠」として提示されると、ありそうにない設定でも「ひょっとしたらこの人は、本当にそういう経験したのかもしれない」と信じさせることができます。

もちろんビジネスシーンで創作した情報を伝えるのはご法度ですが、「その場にいた証拠」を提示して事実に対する説得力を増す方法は、仕事にも応用できます。

■音、におい、温度、手触り……の情報に価値がある

具体例を話しましょう。

先日あるインタビューで、取材相手の女性が高校生のときに交通事故にあい、人生観が大きく変わったことを知りました。そのときのことを「交通事故にあって九死に一生を得た」と書くのは簡単ですが、それだけでは、彼女が人生観が変わるほどの恐怖を感じたことまでは伝わりません。

そこで私は、原稿に「音」を付け加えました。彼女は救急車で運ばれているとき「頭から血が流れて、ちゃぷちゃぷという音がして『私はこのまま死んでしまうんだ』と思った」と話してくれました。これこそまさにその場にいた当事者、「犯人だけが知っている情報」です。

頭から出血すると「ちゃぷちゃぷ」って音がするんだ……と、取材時に私は本当に驚きました。経験したことがある人にしかわからないこの「証拠」を原稿に入れることで、言葉に説得力が増し、その文章の価値があがります。

「五感の情報」は価値が高い多くの方にエピソードを聞く手法でまとめた佐藤友美さんの近著『道を継ぐ』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

もしビジネス文書に応用するとなると、

「R社の新しいスマホカバーは、肌に吸い付くようなフィット感を感じる」

「この音声認識ソフトは、早口の私の言葉も全部拾ってくれる」

「寒さで指も曲げられないような零下25度の状況下で製品の耐性実験を行った」

といった表現になるでしょうか。

「肌に吸い付く」「早口の私の声も聞き取る」「指も曲げられない寒さ」などが、経験したからこその情報、つまり「犯人だけが知っている情報」になります。

「経験情報」で価値が高いのは、特に五感の情報です。音やにおい、食べ物を食べたときの食感や、何かを触ったときの手触り、その場の温度や空気感などを伝えることができたら、それはあなたにしか伝えることができない価値の高い情報になります。 たった一文付け加えるだけで、文章に差がつくコツをお伝えしました。ぜひ参考にしていただけるとうれしいです。

マネマガ
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引用元:東洋経済オンライン

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