大学受験が一変? 2020年の「教育改革」を見据えた教育と子育て論|マネブ

マネブNEWS:〔2018.05.26〕絵文字は? 文章量は?? 約1万人の人脈を持つ入 現在の記事数:260981件

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大学受験が一変? 2020年の「教育改革」を見据えた教育と子育て論


※画像:『不安な未来を生き抜く最強の子育て 2020年からの大学入試改革に打ち勝つ「学び」の極意』(佐藤優、井戸まさえ著、集英社刊)

 2020年、日本の教育は大きな転換点を迎える。

 現在、教育改革の一環として進められている「大学入試改革」。2020年度よりこれまでの「大学入試センター試験」に代わって実施される「大学入学共通テスト」は、日本の教育に対して大きな変化をもたらすことが予想できる。

 なぜなら、この改革は「基礎教育の出口が変わる」という意味を含んでいるからだ。

 そんな教育改革と、大きく変わりつつある子育ての形について論じた一冊が『不安な未来を生き抜く最強の子育て 2020年からの大学入試改革に打ち勝つ「学び」の極意』(佐藤優、井戸まさえ著、集英社刊)だ。

 教育問題に造詣の深い両氏は、過去に二度、教育について論じた書籍を上梓しているが、大学以上の高等教育を中心に論じたのは本書が初となる。

 本書では、両者が教育改革や大学教育の現状、その先を見据えた学生の学びについて議論を交わしている。

 では、2020年以降、日本の教育はどのように変わるのだろうか?

■40年ぶりの「教育改革」で求められる学びの能力とは?

 大学の入試制度が変わることで、どれほど大きな影響が及ぶのかピンとくる人は少ないだろう。

 1979年の「センター試験」導入からおよそ40年を経て、新たに導入される「共通テスト」では、マークシート試験に加えて記述式問題が出てくる。

 「『大学入学共通テスト(仮称)』記述式問題のモデル問題例」では、例えば「公園に設置する銅像を最も見えやすくするために、広場の広さはどのぐらいあればいいか」といった問題が出題されているのだ。

 選択肢がないこの問題には、どういう解き方をするか、どんな定理を使うのかをゼロから考えさせる意図がある。つまり、これまでの「知識偏重型」から「思考、表現力、判断などを問う」という方向に舵が切られる。

 また、英語には外部の検定試験が活用されることになっており、英検やTOEIC、TOEFL、IELTSなどが採用される可能性がある。これにより、従来のセンター試験では「聞く」「読む」という受信型の技能しか求められなかったが、「聞く」「読む」「書く」「話す」の「4技能」が評価対象になる。

 知識を詰め込むだけの受験勉強では乗り切れなくなるということは、子どもたちに対して新たな教育が必要になるということを意味する。また、従来までの受験しか知らない親世代は、そこに留意した教育方針が求められることになるのも忘れてはいけない。

■「アクティブ・ラーニング」教育に必要とされる能力とは?

 今回の新学習指導要領において目玉になっているのが「アクティブ・ラーニング」と呼ばれる能動的な学習、自分が主体的に求める学習だ。これによって自分で課題を考え、自分で答えを見つける方式の授業が導入されてくるという。

 現在の社会は複雑化し、未知の問題に遭遇する機会が増えている。それらを解決する能力を育むためには「能動性」が必要になる。そうした姿勢を伸ばすために教育が変わっていくのだ。

 これは、突き詰めれば「型破りな人間を育てる教育」であると佐藤氏は述べつつも、そのためにはまず基本的な「型」を覚える必要があるという。なぜなら、アクティブ(能動的)になるためには、パッシブ(受動的)な知識が欠かせないからだ。 例えば、外国語の学習で「読む力」は、「書く」「聞く」「話す」力が超えることはない。読んで理解できないことは書けないし、話せないし、聞いてもわからない。アクティブ・ラーニングの基礎として「読む力」というある種の「型」を覚えないと、伸びるものも伸びないのだ。

 教育現場や親が「能動性」だけに目を奪われると基礎学力の指導が疎かになる可能性がある。新たな制度に翻弄されず、段階的に能力を培っていく。その見極めを教育現場や親が担っていることを忘れてはいけないだろう。

■子育てとは「自立」という、究極のゴールに導くこと

 言うまでもないが大学受験はゴールではなく、社会に出るための一つの過程に過ぎない。本書後半では、そのための大学の選び方・学び方から、子どもの学力の伸ばし方や教育格差、また昨今話題のAI時代の教育、そして子育ての目標である「自立」について、と幅広い議論が交わされている。

 それらはどれも、「これからの時代の変化に通用する学びと子育て」という観点に貫かれている。

 たとえば大学選びには「偏差値が高い難関大学に進学することが幸せにつながるという考え方は根本的に間違っている」と佐藤氏は喝破。また教育格差の中の学校選び、奨学金の問題にも触れる。

 AI時代だからこそ安易にデバイスに子守りさせるな、と断じ、子どもの自立を考える章では、佐藤氏と井戸氏のかけあいで、女性の自活、性教育、情報や悪意との付き合い方、発達障害、など現代的な問題がつぎつぎとテンポよく、しかも子や親の不安に寄り添いながら、整理されていく。

 大学受験改革を入り口にしながら、教育改革によって求められる能力の変化、義務教育における学力向上のポイント、学力以外で子供に身につけさせるべき事柄など、が広く語られるこの本だが、最終的には教育と子育ての大きな目標の実践について論じる、スケールの大きな一冊になっている。

 現在の学生が社会に出れば、グローバル化する社会、深刻化する格差社会、AI社会の到来などに立ち向かわなければならない。そんな時代をサバイバルする力を身につけさせるのも、この時代に子どもを育てる親の責務と言えるだろう。本書はそんな親世代の確かな一助になるはずだ。(ライター/大村佑介)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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引用元:ビジネスジャーナル

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