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仮想通貨が普及すると、銀行は苦しくなる!?もしもビットコインがアマゾンと組んだら?


もしも、ビットコインがアマゾンと組んだらどうなる?(写真:redpixel / PIXTA)

「仮想通貨」が話題になっています。何しろ、2015年当時は4万円程度だったビットコインの値段が、今では40万~50万円程度にまで値上がりしているのです。急激な価格上昇によって、株式やFXのトレードを行っている短期トレーダーも、仮想通貨に注目し始めました。はたして、仮想通貨はリアル通貨に取って代われるだけの力を持ちうるのでしょうか。

なぜヘッジファンドまで仮想通貨に投資しているのかこの連載の一覧はこちら

中野:今回、「仮想通貨について語れ」というお題を編集部から頂戴したのですが、正直、仮想通貨ってよくわからない。でも、先般のニュースによると、ヘッジファンドが仮想通貨を投資対象としているそうです。正直、驚きました。そこまで仮想通貨って、一般的になってきているのかと。

藤野:仮想通貨といえば、いちばん有名なのがビットコインで、それ以外にもイーサリアムとか、ビットコインキャッシュ、リップル、ライトコインといったものがあって、ビットコイン以外の仮想通貨を「アルトコイン」などと称しているそうですが、今、ETF(株価指数連動型投資信託)に組成しようとしているのがビットコインですね。

渋澤:まあ、ETFとして組成・上場させるかどうかはともかくとして、現状、仮想通貨って市場規模が小さいし、そもそも需給がどうなっているのか、まったく読めませんよね。

中野:ヘッジファンドがなぜ仮想通貨に投資しているのかというと、ほかの資産の値動きに対して無相関だからでしょう。それ以外の理由は考えられません。

渋澤:とはいえ、ヘッジファンドも収益に対するプレッシャーがありますから、需給などを読んで、値上がりするという見込みがあるのかもしれません。

中野:無相関と大きなボラティリティ(変動率)を求めているのでしょう。特にボラティリティに関しては、株式でさえ過去5年間で見ると、世界的に大きく低下しているのです。ブレグジットや米国のドナルド・トランプ大統領の誕生によって、瞬間的に大きく動いた場面もありましたが、実のところ5年で見ると、株式のボラティリティは債券並みと言っても過言ではないほど歴史的低水準です。これは異常値といってもいいでしょう。

ヘッジファンドはボラティリティがないと稼げませんから、少しでもボラティリティの高いものを求めた結果、仮想通貨をポートフォリオに組み入れる結果になったというのが、正直なところではないでしょうか。

渋澤:でも、あれだけ市場規模が小さいと、最初にコツコツと仕込んでおいて、後から自分たちの買いで価格を押し上げるということもできますね。

中野:そうですよね。ですから、これはもう完全に投機のマーケットです。こういう使われ方をしているかぎり、仮想通貨が決済手段として定着することはないでしょう。

もしアマゾンがビットコインを「買収」したらどうなる?

藤野:仮想通貨はインターネット上の通貨を売買しているだけなので、売買益が得られたとしても、税金がかからないのではないかと考える人もいるようですが、残念ながら申告義務はあるわけです。

しかも、金融商品という位置づけではないので、キャピタルゲインは雑所得扱いになる可能性が高い。そうなると、累進税率が適用されます。ビットコインの円建て価格の推移をみると、2015年前後は4万円程度だったのが、今や50万円程度ですから、この間のキャピタルゲインに対する税金の額は、相当なものになります。

それはさておき、仮想通貨が定着するかどうかという点ですが、たとえばアマゾンがビットコインを「買収」して、アマゾン経済圏の中にビットコインを取り込んでしまえば、広がる可能性はあると思います。たしか、日本国内ではビックカメラや丸井が、ビットコインの決済を試験運用しているのですが、こうして決済に使えるところが増えれば、徐々に環境は改善されていくと思います。

渋澤:とはいえ、ビットコインのような仮想通貨がどんどん使われるようになり、流通量が増えれば増えるほど、中央銀行が金融政策を行う際に通貨の総量を把握できなくなり、管理不能な状態に陥ることを懸念しています。

中野:中国のキャピタルフライト(資本逃避)が問題になっていますが、これもビットコインなどの仮想通貨を用いたキャピタルフライトが非常に増えていると聞きます。

中国の金融当局が、仮想通貨の取引所を当面閉鎖することを決定した、と報じられていますが、仮想通貨はインターネット上で取引され、国境だっていともたやすく越えて取引されるわけですから、キャピタルフライトなんて簡単にできてしまうわけです。まだリアルマネーに比べて規模が小さいから、今は深刻な問題にはなっていませんが、もしこのまま仮想通貨の規模が拡大する一方、キャピタルフライトや、通貨の総量を中央銀行がコントロールできないといった問題が解決しないままだと、確実に大きな問題を引き起こすでしょう。

渋澤:仮想通貨が「リアル通貨」として認められるには、たとえばビットコイン建ての債券などが発行されて、金利が付くようになってからの話ではないでしょうか。

個人投資家はヘッジファンドにやられるリスクがある

中野:今は単純に売買益のみだから、これはギャンブルと同じです。

渋澤:上手なトレーダーだったら、価格も操作しやすそうですね。

中野:ヘッジファンドが仮想通貨の市場に入ってきたということは、売買に参加している個人はいずれ、大きくやられるおそれがあるように思えます。何しろヘッジファンドの資金は非常に規模が大きいので、その売買によって価格が大きくぶれるようになるでしょう。今以上にボラティリティが高まることも考えられます。

もちろん、投機の市場として見れば、高いボラティリティは収益を得るチャンスに直結しますが、単純に決済を目的とした通貨だと考えれば、このボラティリティは尋常ではありません。昨日は50万円だったのが、今日は40万円に値下がりしているというのでは、仮想通貨で何かを買おうとしても、とても怖くて決済通貨に使うことなんてできないでしょう。

藤野:まあ、でもことによると、仮想通貨が大きくなる可能性もありますよ。たとえばICOってご存じですか。株式公開のことをIPOと言うじゃないですか。ICOはInitial Coin Offeringのことで、企業が資金調達を行う際に、株式を発行するのではなく、独自の仮想通貨を発行し、それを仮想通貨取引所に上場させて資金調達をします。先日、中国当局は、このICOを全面的に禁止、影響が広がっていますよね。

あと、VALU(バリュー)という新しいフィンテックサービスも登場してきました。これは、人の評価を値付けするようなもので、SNSのフォロワー数などで価値が決まり、その一部を売り出すことで、資金調達ができるというものです。売り出されたVALUは、株式と同じように流通市場で売買でき、流通価格が形成されていきます。個人を発行体にした株式のようなものと考えることもできます。VALUはすべてビットコインで決済されます。

企業価値だけでなく、物事の本質を見極める力がある。「草食投資隊」が個人投資家から支持されている理由はここにある(左からセゾン投信の中野晴啓社長、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長兼CIO、コモンズ投信の渋澤健会長)ローコスト決済や送金機能が強化されると銀行は…?

中野:資金調達まで仮想通貨で可能になれば、確かに仮想通貨も「得体の知れない何か」から脱して、より実感を伴ったものになっていくとも考えられます。でも、現状はアーリーアダプターと呼ばれる、感度の高い人たちが集まっているだけで、これが一般化していくには、まだ相当の時間を必要とするのではないでしょうか。個人的には、海のものとも山のものとも知れず、という印象です。

渋澤:先進国は超低金利の状態ですから、私は先ほど言ったように、金利が付くようになって初めてリアル通貨に近いものになると考えています。

藤野:やはりアマゾンと組むべきでしょうね。そうすれば世界中どこででも、ローコストで決済できるので、決済通貨としての側面が一段と強化されるはずです。

中野:仮想通貨って、送金機能が大きな魅力だと思うのです。というのも、銀行を通じて送金すると、送金手数料ってバカみたいに高いじゃないですか。それよりもはるかに低いコストで送金できるようになりますから、その点はいいことだと思います。ただ、それが普及したら、いよいよ銀行は収益の柱を失い、存在意義をまた1つ失うことになるでしょう。経営の苦しくなった銀行は破綻に追い込まれるか、業界統合に向けての動きが活発になるかもしれません。

渋澤:すぐにそういう時代が来るかどうかは別にしても、送金など取引手数料で事業を成り立たせてきた銀行は改めて自分たちの存在意義がどこにあるのかを、きちんと考える必要がありそうですね。

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引用元:東洋経済オンライン

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