ベントレーのSUV「ベンテイガ」に乗ってみた全長5mでもスポーツカーのように走れる|マネブ

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ベントレーのSUV「ベンテイガ」に乗ってみた全長5mでもスポーツカーのように走れる


 

ベントレー初のSUV、ベンテイガを国内で試乗した。全長5メートルを超える巨体は扱いづらい? 都心とワインディングロードを走り、西川淳がレポートする。

塊としてのデカさ当記事は「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

初めて乗ったのは、アメリカだった。それも砂漠のなかのリゾートだったから、ベントレー初のSUVも、「毎日乗れそうだ」と思ったものだ。ついでに言うと、ベンテイガなら、かなりのオフロードも難なくこなすし、何ならそのまま舗装されたサーキットへ持ち込んでもそんじょそこらのスポーツカーなんか振り切るほどのパフォーマンスをみせる。

つまり、現代のオールマイティ・ラグジュアリー、しかも筆頭の。それがベンテイガへのボクなりの賛辞だった。

半年ほど遅れて、“2度目のベンテイガ”。日本でも触れるという段取りになった。あの衝撃の性能をもう1度、とばかりに意気込んで取材現場に駆けつけて、思わずたじろぐ。

でっかい!

あれ? こんなにでっかいクルマだったっけ?

いや、もちろん、アメリカ以外でもショーなどで現物を間近に見る機会は何度もあった。それに、ボディサイズなど数字的なこともアタマには入っていたつもりだ。けれども、そんな経験や知識を超えて、日本の街中で目の当たりにするベンテイガは、なかなかにでかかった。

それも、アメリカのキャデラックやリンカーンあたりのトラック派生SUVとはまた違う感覚のでかさだ。あちらは、どちらかという“箱のデカさ”。実際、キャデラックのエスカレードあたりになると、標準ボディでもベンテイガより長く、幅広く、背が高い。ESV(エクステンデッド・ボディ)ともなれば、全長5.7mと、もはや日本のシロウトには手の付けられない大きさ、というか、長さ。おなじ理由で、英国王室御用達のレンジローバーとも、違う感覚だ。こちらも、最近はかなりスタイリッシュになったとはいうものの、まだ、箱としてデカい系だから。

ベンテイガのデカさは塊としてのデカさ、で、自ずとキャデラックやレンジローバーの圧迫感ある静的なデカさとは異なってみえる。かなり動的だ。だからだろうか、しばらく見ているうちに、だんだんとそのデカさが気もならなくなっていった。

間近に立つとデカいことを思い出すが、ちょっと離れてみるぶんには、隅が丸まっていることも手伝って、小さくとまでは言わないまでも、いつまでもうすらデカいと思わせるようなことがない。サイズ的には旧型アウディQ7と似ているが、もっともっと引き締まって見える。身がぎっしりとつまっている。

コンチネンタル系と違わぬ雰囲気

それにしてもデカいよなぁ、などとわかっちゃいるけどあえて呟きつつ(寒いだの、暑いだのと一緒)、“2度目のベンテイガ”に乗り込む。

ドライバーから見える景色は、コンチネンタル系と違わぬ雰囲気だ。モダン・ベントレーかくあるべし。立体感のある翼状のダッシュボードが広がっている。コンチネンタルGTやフライングスパーと違うところは、視点の高さのみ。窓越しの景色が異なっている。

見晴らしがいいぶんだけリラックスして走り出した。アクセルペダルを踏んでみて、「おやっ?」と思う。記憶にある“1度目のベンテイガ”よりも、ひと踏みの加速が力強い。もう少し車重を感じさせる、いかにも大型SUVらしい発進加速だったのが、まるでクルマがひとまわりも小さくなったかのように、すーっとスムーズに飛び出した。ひょっとすると、エンジンとミッションのマネージメントが変わったのかも知れない。もちろん、ただの記憶違いという可能性もあるけれど。

とにかく、巨体をさほど感じさせないということは、いいことだ。乗ってみてもやっぱり身体が引き締まっているので、ハイパワーなW12ツインターボエンジンと相まって、ハナから思い通りに走らせることができる。

そのまま踏んだままでいると、アッという間に、とんでもない速度域に達してしまう。途中の加速フィールはスポーツカーなどと違って、速さに質量があってスリリング。とはいえ、クルマのほうは安定しているから、恐怖感はない。そして、ペダルを緩めるも緩めないもドライバーの気持ち次第。免許は失いたくないので、何とか右足を上げた。

クルマとドライバーとの一体感

ブレーキフィールは、必要にして十分だ。重いクルマであることを、やや感じさせる程度で不安はない。個人的には、もう少しソリッドに効いて欲しいけれど、これはもう性能を超えた物理の法則だ。むしろこんなに重いクルマを、こんなにきっちり停めること自体、称賛されるべき。

高速クルーズはもはや敵ナシで、それゆえかえって走行車線をゆったり走ろうという気分にさえなる。視線の高さと相まって、他の車線を睥睨する。

足軽・小兵ども、急ぎたければ存分に走れ。ワシはいつだって追いついてやるぞ。もはや、戦国大名気分である。

街中でも意外に扱い易かった。箱のようなスタイルのほうが運転しやすいと人は言うけれど、それだってクルマに一体感があればこそ。車両感覚というものは、手足の先にクルマがちゃんとある、という確実なフィーリングがあって初めて成立する。たとえ丸くてデカくとも、クルマとドライバーとの一体感さえあれば、狭い道でのすれ違いでもさほど気を遣わないものだ。

そして。やっぱり驚かされたのは、スポーツカーのようにも走ること。ちょっとしたワインディングロードを駆けてみたけれど、少しだけ慣れが必要とはいえ、そのうち好き放題に攻め込んでいける。ポルシェ・カイエンあたりにも通じる運動神経の良さは、一風変わったカタチであるとは言うものの、さすがに“ベントレー・ボーイズの末裔”というべきだろう。

(文:西川淳、写真:河野マルオ)

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引用元:東洋経済オンライン

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