中国、米朝首脳会談を実質コントロールか…会談内容が筒抜け、北への制裁解除か|マネブ

マネブNEWS:〔2018.06.21〕『花のち晴れ』、『花男』続編なのに脚本が放送事故 現在の記事数:261909件

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中国、米朝首脳会談を実質コントロールか…会談内容が筒抜け、北への制裁解除か


米朝首脳会談に臨むアメリカのドナルド・トランプ大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)(写真:AFP/アフロ) 歯の浮くような儀礼的言辞のやりとりから、米朝首脳会談は始まった。2018年6月12日、シンガポールのセントーサ島のリゾートホテルで「世紀の会談」が行われた。会場に市内から離れた豪華ホテルを選んだのは、おそらく盗聴器を仕掛ける余裕を与えないためだろう。「警備がしやすい」というのは口実にすぎない。

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は前夜にマーライオンを観光するなどリラックスムードを演出したが、当日は緊張した表情を見せていた。

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は、自身の後援者で共和党の大口献金者としても知られるラスベガスのカジノ王シェルドン・アデルソン氏の所有するマリーナベイ・サンズホテルに宿泊することも予想されたが、実際はマレーシア華僑が経営するシャングリラ・ホテルを選んだ。その理由は、過去に連続してアジア安全保障会議(シャングリア対話)の会場となっており、ジェームズ・マティス国防長官ら歴代国防長官が宿泊しているという経験上のものだろう。

 北朝鮮の歴史的体質は、まず内ゲバありきで、次いで必ず外国を巻き込むというものだ。金正恩は韓国をアメリカとの仲介役兼メッセンジャーボーイとして使い、中国を蚊帳の外に置くふりをして習近平国家主席を慌てさせ、しっかりと支援を取り付けた。その上、米朝首脳会談の直前にはロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が平壌に乗り込み、金正恩と会談を行った。これで、関係国すべてを巧妙に巻き込んで土台を固めたというわけだ。

 問題は、金正恩の背後にいる中国である。中国は“子分”の暴走を防ぐために重度の介入を示し、挙句の果てに「遠距離を飛ぶ飛行機がない」というので、共産党最高幹部専用機を例外的に金正恩に貸与した。同機の通信施設や乗務員は中国人であり、およそすべての会談内容が中国に伝えられる。

いつもの強気が鳴りを潜めたトランプの言い訳

 日本の期待は夢幻に終わった。発表された米朝首脳会談の共同声明についてトランプは「素晴らしい」と自画自賛したが、朝鮮戦争終結の宣言はなく、非核化プロセスの具体的内容も欠いている。

 第一に「非核化への努力」はうたわれたが、「完全な、検証可能な、不可逆的な」という文言は共同声明のどこにもない。また、期限も方法も明記されていない。具体的な成果がなかったにもかかわらず、安倍晋三首相が「高く評価する」などとトランプの成果を渋々評価したが、納得するには無理がある。

 アメリカ政府筋は「これから高官による詰めが行われ、具体的な日程などが出てくる。ともかく、歴史的文脈においてこの会談は意議がある」と総括しており、今後の交渉に大きく期待する方向だ。とはいえ、「完全な、検証可能な、不可逆的な非核化」は言及されず、結局は曖昧な言質を金正恩から得ただけだった。

 5月初旬の2回目の中朝首脳会談以降、中国の後ろ盾を得た金正恩は強気になっていた。そして、トランプと「世紀のショー」を演出するためにアメリカ人人質を解放し、使い物にならなくなった核実験場を廃棄処分としたが、これらをトランプは記者会見で「成果」と総括した。それを見て、「ディール(取引)の名人もここまでか」との感想を抱いた。「総合的に前進した」という米朝首脳会談は、アメリカにとっては11月の中間選挙対策であり、北朝鮮にとっては、やはり時間稼ぎと中国との関係性構築という意味合いが大きい。唯一、「制裁を続ける」というアメリカの姿勢だけが歯止めとなる要素ではないか。

 今回の米朝首脳会談に大きな期待を抱いた人にとって、失望の谷は深い。一方、あまり期待しなかった人にとっては、「なんとか一歩前進した」というのが率直な感想だろう。

 アメリカメディアは、次のように消極的な評価を下している。

「歴史的に米朝が『初の会談』という意議以外に何もない」(ニューヨーク・タイムズ)

「希望を抱かせたが、保証がない」(ワシントン・ポスト)

「希望に向けての前進」(ウォール・ストリート・ジャーナル)

 しかし、トランプは記者会見で「人権に言及した」「日本の拉致問題についてはちゃんと伝えた」と言い訳に終始し、いつものような強気の姿勢は見られなかった。その上、将来的な在韓米軍の縮小や撤退を示唆した。これでは、過去の歴代大統領が行ってきた、場当たり的な人気取りの対応と大きな違いはない。

米朝首脳会談、最大の勝者は中国か

 この米朝首脳会談で一番の勝者となったのは、中国である。おそらく、中国は「米朝関係に前進があった」として制裁緩和の方向に走り出すだろう。そもそも、会談前に「中国抜きでは何も進まない」と国際社会に印象づけることに成功し、金正恩の背後でシナリオを描き、結果的にトランプの在韓米軍撤退発言を誘発した。

 米朝首脳会談が行われた12日、東京・上野動物園のパンダが誕生1周年ということで、長い長い行列ができていた。パンダはチベットの動物であり、中国が外交の道具としているものだ。それを行列をつくって見るという日本人の行為は、中国を利することになりはしないだろうか。(文=宮崎正弘/評論家、ジャーナリスト)

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引用元:ビジネスジャーナル

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