トランプ、北朝鮮への経済支援は「日韓に用意ある。米国は必要なし」と表明…拉致問題解決に利用も|マネブ

マネブNEWS:〔2018.06.21〕『花のち晴れ』、『花男』続編なのに脚本が放送事故 現在の記事数:261909件

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トランプ、北朝鮮への経済支援は「日韓に用意ある。米国は必要なし」と表明…拉致問題解決に利用も


米朝首脳会談でのアメリカのドナルド・トランプ大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)(写真:AFP/アフロ) 6月12日に行われた米朝首脳会談で発表された共同声明を見てみよう。アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が「全面的かつ迅速に実行に移す」として署名した内容は、以下の4つのポイントに分かれている。

(1)アメリカと北朝鮮は、両国民が平和と繁栄を切望していることに応じ、新たな米朝関係を確立すると約束する

(2)アメリカと北朝鮮は、朝鮮半島において持続的で安定した平和体制を築くため共に努力する

(3)2018年4月27日の「板門店宣言」を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島における完全非核化に向けて努力すると約束する

(4)アメリカと北朝鮮は(朝鮮戦争のアメリカ人)捕虜や行方不明兵士の遺体の収容を約束する。これには身元特定済みの遺体の即時帰国も含まれる

 簡単にいえば、「アメリカが北朝鮮の体制を保証する代わりに、朝鮮半島の完全非核化を目指す」というものであり、一定の枠組みで合意したこと自体は評価すべきだが、具体性に関しては不透明であり、実現性も明確ではない。

 会談後にトランプ大統領の単独記者会見が開かれ、そこで一部の具体的な内容が明らかになった。それによると、北朝鮮はすでにミサイルエンジン試験場を破壊しており、近日中に確認できるという。また、アメリカは北朝鮮への経済制裁を継続し、一定の成果が認められた時点で緩和する方向のようだ。

 日本の懸案事項であった拉致問題に関しては、トランプ大統領が「提起し、北朝鮮側と今後取り組んでいく」とのことで、安倍晋三首相は会見で「日本と北朝鮮との間で解決をしなければならない問題」とあらためて表明した。また、トランプ大統領は北朝鮮への経済支援について「日韓両国に用意がある。アメリカが支援する必要はない」と述べている。

 北朝鮮は4月の時点で、核開発と経済建設を同時に進める「並進路線」から「社会主義経済建設への総力集中」という方針転換を表明している。そして、米朝首脳会談で体制保証を取り付けたことで、今後は経済発展に邁進したいという思惑がある。そのため、経済支援は喉から手が出るほど欲しい“果実”であるに違いない。逆に考えれば、日本が支援をしなければ北朝鮮の経済発展は難しいという構図にもなっているわけで、日本側が拉致問題など今後の対北交渉のカードに使わない手はないといえる。

 総じて見れば、「決して満足とはいかないものの、現状打破の引き金になれば御の字」という程度の成果であったといえる。トランプ大統領は、将来的に自身が平壌を訪問することや金委員長をホワイトハウスに招くことにも意欲を示しており、今後も米朝交渉は継続する見通しだ。そのため、まだまだ駆け引きは続くだろう。

米朝安保条約締結なら中国が反発も

 実際には、「どのように体制を保証するか」という点において大きな矛盾を抱えているのも事実だ。北朝鮮の独裁体制はアメリカが掲げる「自由と正義」とは正反対であり、さらに人権問題も抱えている。現体制を保証するということは、自由主義の象徴であるアメリカのリーダーが北朝鮮の現状を容認することにもなってしまう。 また、経済発展についても、南北交流が進めば国民の反乱などによって現体制が維持できなくなる可能性も生まれる。独裁者にとって民主主義は最大の敵であるが、経済発展および国際交流はその促進につながるからだ。

 さらにいえば、北朝鮮の敵はアメリカだけではない。中国やロシアとも敵対する部分があり、一部のミサイルは中国にも向いているといわれていた。そこでミサイルや核兵器を放棄するとなれば、中国の脅威にどう対処するかという問題も浮上する。

 方法論として考えられるのは絶対王政から立憲君主制への移行であり、その場合は戦後の日本がモデルケースとなるだろう。その上で、安全保障条約を締結して北朝鮮の安全をアメリカが保証するというパターンがある。ただし、これに対しては、これまで北朝鮮の後ろ盾であった中国やロシアが反発する可能性も高く、トランプ大統領が言及した将来的な在韓米軍の縮小および撤収とともに、今後の焦点のひとつとなるだろう。

 いずれにせよ、ようやく端緒が開けた米朝融和が前進することを期待したい。(文=渡邉哲也/経済評論家)

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引用元:ビジネスジャーナル

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