各社一斉発売の「新定義ビール」を飲み比べレビュー!一番美味いのは、どれ?|マネブ

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各社一斉発売の「新定義ビール」を飲み比べレビュー!一番美味いのは、どれ?


アサヒ「グランマイルド」(「アサヒ HP」より)

 4月1日からビール類に関する酒税法が改正された。

 これはビール、発泡酒、第3のビールの酒税を、2026年10月までに統一するための第一歩として行われたものであるが、大手各社は売上低迷が続くビールへのテコ入れを図るべく、次々と“新定義ビール”を発売。日本のビール戦争は新局面を迎えたといっていいだろう。

 そもそも日本での「ビール」の定義は、主原料である「麦芽」の比率(及びホップ、水)と、風味付けのための「副原料」により定められている。これまでは、麦芽比率が67%を超えるものが「ビール」として発売されており、使用できる副原料は米やトウモロコシ、麦といったわずかな品目のみに限られていた。ちなみに仮に麦芽比率が67%を超えていたとしても、法で認められていない副原料を使用した場合は「発泡酒」を名乗らなければならなかったのだ。

 そんななか、今回の「ビール」の定義改正により、麦芽比率は50%以上に引き下げられ、副原料に野菜や果物も認められるようになり、使用できる原料の範囲が大幅に広がった(ただし今回の改正で追加された副原料の割合は5%以内)。つまりこれまでは「発泡酒」として販売しなくてはいけなかったものも、「ビール」として区分できるようになったのである。

各社の“新定義ビール”味検証

 今回の改正に伴い、アサヒビール、キリンビール、サントリー、ジャパンプレミアムブリューの4社から“新定義ビール”が発売された。

 そこで今回は、4社の新ビールのうち、4月24日発売と最も遅く登場したジャパンプレミアムブリューの「Innovative Brewer ビアチェッロ」の発売を待ち、専門家に新ビール4品を試飲してもらうことに。ビアライターとして活動し、『BEER CALENDAR』(ステレオサウンド)などの著書も手がけた富江弘幸氏に、味のレビューをしていただく。

・「グランマイルド」(アサヒ)

「副原料として使用されているレモングラスが、ビールの雑味をカバーしている印象を受けました。ビールとしてはアルコール度数7%と高いほうなのですが、アルコール独特の香りが気にならないので、時間がたっても美味しく飲めると思います」(富江氏)

・「グランドキリン ひこうき雲と私 レモン篇」(キリン)

「レモンピールがうっすらと香り、口当たりも柔らかく、軽やかに飲めました。酸味も控えめなので、ビールが苦手な人でも飲みやすいでしょう。後味にレモンの皮のような苦味も感じられ、全体的に爽やかな仕上がりのビールといえます」(同)

・「海の向こうのビアレシピ<オレンジピールのさわやかビール>」(サントリー)

「グランドキリンに比べると酸味が強いのですが、その酸味こそが、オレンジピールのフルーティーさを強調させる役割を担っているのだと思います。副原料に使用されているコリアンダーシードは、ベルギーの伝統的なホワイトエールではよく使われています」(同)

・「Innovative Brewer ビアチェッロ」(ジャパンプレミアムブリュー)

「副原料のグレープフルーツとオレンジピールで、全体的に柑橘感のある味わいが演出されています。甘みもそれほど強くなく、“後味の苦味で口の中を引き締める”といったバランスのよさも感じられました。また、今回試飲した4種類のビールのなかでは、一番香りが立っていたのも印象的です」(同)日本のビールも世界基準に一歩近づいた

 今回、麦芽比率変更や使用できる副原料が増えたことで、ビール業界全体の盛り上がりが期待できると富江氏は語る。

「この改正でもっとも重要なのは、副原料が追加されたこと。これによって、今回試飲した4品のように、多彩な味わいのビールがつくられていくと思われます。実際、ヤッホーブルーイングがかつお節を使用した『SORRY UMAMI IPA』を発売するなど、大手以外のメーカーも新しい定義にあてはまるビールを造っています。『多様化』がキーワードとなっている現代で、こういった個性的なビールが増えていき、ビールというひとつのカテゴリーのなかでもさまざまな種類が選べるというのは、消費者にとって大きなメリットでしょう。

 また、これまでは“キンキンに冷えたビールをゴクゴクと飲む”という一辺倒な楽しみ方ばかりでした。ですが、副原料として果物や香辛料の追加が認められたことにより、“フレーバーを楽しみながら飲む”という新たなビールの魅力に気づける商品が、発泡酒ではなくビールとして開発できるようになったわけです。

 個人的には、これまでビールの味わいの表現に、“キレ”や“コク”といった抽象的で意味がわかりにくい言葉ばかり使われてきたことが不満でした。もっと具体的な言葉で味わいを表現すべきだと思っていましたが、今回の改正から追加された副原料を使ったビールは、オレンジピールを使っていれば“オレンジの風味”と表現できるように、その表現が具体的にわかりやすくなるでしょう。これによってビールを飲む人口の広がりにも期待できます」(同)

 ただし、富江氏は今回の改正について、不十分と感じている部分もあるという。

「副原料が追加されたとはいえ、今回追加された副原料は麦芽の5%以内しか使えないため、そういう意味でまだまだ不十分な改定だと思っています。たとえば、オレンジピールを風味付けに使うには5%は十分な量ですが、フルーツビールとして果物をまるごと使おうとすると5%では到底足りません。

 世界ではもっと自由にビールがつくられているため、現時点では物足りなさを感じてしまうのが正直なところです。ただ、今回試飲した4種のようなビールは世界的にはもともとビールと定義されていたものなので、今回の改正で世界の基準にようやく日本が近づいたといった認識。2026年までにビール類の酒税が一本化されるため、その第一歩としては一定の評価ができますし、日本のビールシーンも世界基準の自由なビールに一歩近づいたと言えるでしょう」(同)

 今回の定義改正は、ビールの種類を多様化させ、新たな楽しみ方も提案するものであるが、副原料が5%以内になっていることで、まだまだ発泡酒を名乗らなければならない商品も多いという。

 ただし、富江氏も解説しているように、今回の定義改正はビール類の酒税一本化へ向けたファーストステップ。今後もどのように「ビール」の定義が変更していくのか、そしてそれによりビール業界の勢力図も変わっていくのか、業界の変革に要注目だ。(文=A4studio)

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引用元:ビジネスジャーナル

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