転倒者続出「女子スノボSS」現地で見た課題強風で延期、決勝一発勝負の悔しさが残った|マネブ

マネブNEWS:〔2018.05.26〕怖すぎて大人になっても見たくない、本当に怖い「ま 現在の記事数:260981件

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転倒者続出「女子スノボSS」現地で見た課題強風で延期、決勝一発勝負の悔しさが残った


強風の中、転倒する選手が続出した2月12日のスノーボード女子スロープスタイル。写真は海外選手(写真:picture alliance/アフロ)

2月12日に行われた平昌(ピョンチャン)オリンピック・スノーボード女子スロープスタイル(SS)決勝、強風の中、ほとんどの選手が転倒し、ミスなく自分自身の滑りを実現できた選手はほぼ居なかった。

スロープスタイルとは前半のジブセクション(コース上に設置されたアイテム)から自身で選び演技し、後半のジャンプセクションで技を決める競技だ。日本人選手は4人出場したが、藤森由香選手(アルビレックス新潟)の9位が最高位。広野あさみ選手(TJR)が12位、岩渕麗楽(いわぶち れいら)選手(キララクエストク)が14位、鬼塚雅選手(星野リゾート)が19位とメダル・入賞ともに逃した悔しさの残る一戦だった。

「楽しかったですが、悔しい内容になりました。攻めようという気持ちで滑ることができたのは良かったとはいえ、あのコンディションに合わせきれていなくて、自分の実力不足も出てしまったので自分なりの滑りではなかったです」

女子スロープスタイル決勝後、出場した岩渕選手はこう語った。

現地の強風に苦戦する選手たち

今回の会場の特徴は、ワールドカップなどのスロープスタイルの会場より大きく、人工の障害物やキッカー(ジャンプ台)の難易度が高いコースだったということ。男女ともに同じコースを滑り、技の難易度やジャンプの高さ、リズムよく全長617メートルのコースを上から下まで滑り降りることが重要と言えるコースだった。

そんなコースで試合前の公式練習でも転ぶ選手が続出した。さらに、選手たちがなかなか飛ばないシーンも多かった。原因は横風だ。

「体重が軽いと風にあおられる。横風が強いと技やスタイルに影響が出る」と岩渕選手をマネジメントするRADTAKEの川北武志代表も話していた。

ほかの会場に比べ、ジャンプセクション間の距離が短いこともあり、滑る選手たちは修正時間が短くなる。着地をうまくできないと次のジャンプセクションまで、うまくスピードに乗って思うようなジャンプができないコースになっているのだ。

試合時間が近づくにつれ、風の強さが増すと同時に世界各国の歓声や応援団の踊りの熱量も増していった。まだかまだかと待ち望んでいた中、「試合中止」のアナウンスが流れたのが11日の予選だった。本来は予選2回を飛び上位12人までが決勝進出、決勝は3回を飛び、3回中の最高得点で順位を決める予定だった。

だが、予選が中止になったため、12日に予定していた決勝に全員が出場し、2回の試技での最高得点で順位を決める形に変更になったのである。

翌12日決勝。天候は晴れだが、マイナス10度を下回り、持ち込んだPETボトルの水が凍ってしまった。

10時開始予定が遅れ、何度も場内アナウンスが流れた。ちなみに12日も延期になった場合、15日にさらに順延になる可能性もあった。しかし、14日も15日も雪の予報となっており、視界不良も重なるおそれがあった。

会場には幾度となく突風が吹いた。観客席にいた筆者ですら不安な気持ちになったが、選手の気持ちはさらに不安だっただろう。スタート前から待ち望んだ決勝を見たい気持ちと同時に、出場選手のケガが心配になる複雑な気持ちが漂った。10時開始予定の決勝は約1時間15分遅れで始まった。

13番目に登場した日本選手団女子最年少の16歳、岩渕選手はメダルを意識した攻めの滑りを展開したが惜しくも転倒、得意のバックサイド・ダブルコーク1080(キッカーで縦2回転、横に3回転)を封印せざるをえなかった。身長149cmの小さな体で大技も持つ「小さな巨人」は1本目の48.33点を伸ばせなかった。

優勝したのは前回のソチ・オリンピックの初代王者、スロープの女王の異名も取るジェイミー・アンダーソン選手(米国)。転倒せず磐石の滑りを披露、1本目83.00をマークし、そのまま同種目連覇を果たした。

強風の中での開催に疑問符がついた

強い風が吹いてる中で滑っている選手、吹いてない中で滑れている選手がいた。もちろん、自然の中でプレーするのが当たり前。天も味方にしなければいけない。皆、同じ条件で滑るので、結果は悪条件を言い訳にはできない。それは選手の成長を止めてしまうことにもつながる。

だが、運営側は選手が最大限のパフォーマンスをできるように環境をつくる使命があると痛感した。そして何より安全面だ。観ている側も選手の転倒を観に来ているわけではない。4年に1度、スポーツでこの日のために懸けてきた選手達の姿を披露する場でもある。

今回のスノーボード女子SS決勝では大きなケガ人こそ出なかったのは幸いだが、選手生命にもかかわる試合運営をしてはいけない。安全も確保できずに、選手はこのコースを命懸けで滑り、飛んだのは事実だ。実際練習時に転倒しケガ、棄権した選手もいた。

選手は4年間温めてきた、本来の実力を出せず悔し涙を流し、観客は命懸けのこの勇敢な姿に拍手と涙を浮かべた。

現地で観戦した岩渕選手の祖父母は「まずは、オリンピックに連れてきてくれてありがとうと伝えたい。レイラの笑顔がすてきだから、何よりこの舞台を楽しんでほしい」と語った。

決勝前日の2月11日、岩渕選手の応援に訪れていた母に心境を伺ったところ、「この(五輪の)舞台をまずは目標にしていたので、出られるということがすごくうれしい」とも話してくれた。

まだまだ、競技は終わったわけではない。岩渕選手をはじめメダル候補といわれたアンナ・ガッサー選手(オーストリア)が攻めの滑りを披露したように、12日に出場した選手たちは次にはビッグエアが待っている。

「今回の結果は引きずっていないですし、次に気持ちが向いているのでスロープとは割り切ってやろうと思います」(岩渕選手)

平昌に飛び立つ前、岩渕選手は「楽しんできたい。ビッグエアのほうができる技が多いのでぜひ見てほしい」とも話していた。19日に予選が始まるビッグエアに向け、切り替えが重要だ。

マネマガ
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引用元:東洋経済オンライン

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