小田急新ダイヤは不動産相場をどう変えるか実は世田谷区内の利便性がアップ|マネブ

マネブNEWS:〔2017.11.21〕1口1万円、「小口不動産投資」で何が変わるか新興 現在の記事数:251688件

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小田急新ダイヤは不動産相場をどう変えるか実は世田谷区内の利便性がアップ


現在、小田急線と東京メトロ千代田線直通の主力となっている「多摩急行」。2018年3月のダイヤ改正で姿を消すが、千代田線直通の本数は大幅に増える(写真:ゆうじ / PIXTA)

小田急小田原線の代々木上原―梅ヶ丘間で行われている複々線工事は順調に進んでおり、2018年3月にこの区間が供用開始されると、念願の代々木上原―登戸間約11.7kmの複々線化が完了する。

このスケジュールはすでに発表されていたが、新ダイヤがどうなるか、特に東京メトロ千代田線との相互直通運転(相直)の体制がどう変化するかに関心が集まっていた。その2018年3月からの新ダイヤの概要が、11月1日に発表された。

注目された「千代田線直通」の変化

小田急線と東京メトロ千代田線の相直は1978年に開始されており、長い歴史があるが、その形態は時代によって変わってきた。当初は本厚木への直通(小田急線内は準急)という形態であったのが、2002年からは多摩線への直通が開始され、現在は唐木田―綾瀬・柏・我孫子間を走る「多摩急行」がお馴染みとなっている。

千代田線はJR常磐線の取手まで直通運転を行っているが、以前は「小田急―メトロ―JR」の3路線直通に対応しているのは東京メトロの車両だけだった。だが、2016年3月の時点でJR東日本、小田急の車両も3社直通対応とする工事が行われており、相直をより拡大するうえでの車両側の準備は整っていた。

こうした状況から、2018年3月の新ダイヤへの期待が高まっていたわけだが、小田急電鉄からは長い間「輸送力の大幅アップ」と「ラッシュ時間帯の特急ロマンスカー増発」といった方針が発表されていただけだった。

発表前から注目を集めていたのは、千代田線直通列車の種別や小田急線内での運転区間がどう変わるかなどだ。

現在すでに使用されている梅ヶ丘―和泉多摩川間の複々線区間では、緩行線(各駅停車)が外側を走る。だが、来春に複々線化が完成する世田谷代田駅と下北沢駅では、地下2層構造になっているトンネルのうち浅いほうが緩行線となり、代々木上原駅の1つ手前である東北沢駅では、今度は急行線が外側、緩行線が内側となる。

1978年、小田急線と千代田線が相互直通運転を開始した際に行われた式典の様子(提供:小田急電鉄株式会社)

代々木上原駅は4線あるうちの外側2本が小田急、内側2本が千代田線となっているため、「複々線化後の千代田線直通は各駅停車が主となるのでは?」とか、これとは別にラッシュ時には多くの優等列車が千代田線直通となり、「新宿駅発着の電車が減る」といった予測もあった。

その新ダイヤの概要がついに発表となった。実は、発表に至るまでの小田急や東京メトロの情報管理は徹底を極めていた。9月の時点で、別件で関係者に取材する機会があったが、「世田谷区などの不動産価格に影響を与える」ということで堅く箝口令が敷かれていたのである。

サプライズがあちこちに!

発表されたダイヤを見ると、極めて意欲的な内容であり、いい意味で予想を裏切るようなサプライズに満ちていた。確かにこれなら「不動産相場に影響を与える」のは間違いないだろうし、これまで情報管理が徹底していたのも「なるほど」と思わせる。

まず、千代田線直通が「各停中心」ということはなかった。朝夕のラッシュ時には、本厚木や海老名始発の通勤準急が千代田線に直通し、「乗り換えなしで都心へ」という利便性を高めている。ラッシュのピーク時には、千代田線直通は1時間に12本も設定されているのだ。その一方で、新宿発着の電車が減ることもなく、各停も優等列車も朝晩のラッシュ時には新宿発着の輸送力を十分に確保している。

さらに驚かされたのは、定着していた「多摩急行」をスパッと廃止しただけでなく、多摩線の優等列車を新宿発着に変えたことだ。

それぞれの改正項目について、順に見ていこう。

まず朝ラッシュ時の輸送力アップだが、代々木上原駅着6時~9時半の3時間半についての比較が発表されている。本数で84本から105本(平均で2分間隔)と大幅に増便され、平均混雑率の予測値が192%から150%程度へと緩和される。

中でも、小田原発・藤沢発の快速急行が28本と大幅に増えるのが特徴的だ。これにより、海老名から新宿は朝方で最速43分、ラッシュピーク時でも51分に、同じく大和から新宿も朝方最速45分・ピーク時で52分にそれぞれ10分短縮となる。

快速急行は、小田原や藤沢から新宿への速達性を確保することで、JR東日本の「湘南新宿ライン」に対抗する列車だが、今回の改正では、海老名、大和からの速達性がアピールされており、2019年度から2022年度にかけて完成する「相鉄・JR直通」および「相鉄・東急直通」とのライバル関係で最初から優位に立とうという戦略が感じられる。

京王線にも戦いを挑む京王は新型車両5000系による座席指定列車で迎え撃つ(撮影:尾形文繁)

一方で、多摩急行廃止というドラスティックな変化が生じる多摩線については、朝ラッシュのピーク時に、1時間当たり6本の新宿行き急行が、唐木田もしくは多摩センター始発で設定され、多摩センターから新宿までの所要時間は朝方で最速36分、ピーク時で40分と最大で14分短縮される。

多摩線に関しては、夕方のラッシュ時間帯の対応も興味深い。18時台から23時台まで30分ヘッドで唐木田行きの快速急行が設定され、新宿から多摩センターを最速33分で結ぶのである。これは、小田急として、長く後塵を拝してきた京王相模原線とのシェア争いに敢然と打って出るということだろう。

夕方ラッシュ時間帯の速達化では、小田原線でも新宿から町田までが快速急行で最速33分となる。しかも18時台から23時台まで1時間4本という頻度(2本が藤沢行、2本が本厚木・伊勢原行)で運行される。

この時間帯に新宿を発車する列車は、快速急行が毎時6本に加えて急行も毎時6本、各停が8本の計20本となる。さらに代々木上原では、千代田線から直通の急行(伊勢原行)が毎時2本、準急が4本、各停(成城学園前行)が2本の計8本が合流し、夕方の下りも利便性が向上する。

このほかにも、特急ロマンスカーの増発や、新宿―小田原間を59分で結ぶ「スーパーはこね号」の登場、始発の繰り上げや終電の繰り下げなど、輸送力の増強が全面的に展開されている。

世田谷のマンション価格は上昇?

興味深いのは、近郊区間に当たる世田谷区内への優遇だ。ラッシュ時上りでは、向ヶ丘遊園駅と成城学園前の始発列車を増便し、計20本運転することで着席の可能性が向上するほか、下りでは千代田線から直通の各停成城学園前行きの設定などがある。北側のバス路線が増えつつある経堂駅では、朝方の通勤準急が停車するようになるなど、1日の停車本数が一気に172本も増加(平日の場合)する。

さらに、土・休日ダイヤでは成城学園前始発の千代田線直通準急が設定され、これまで通過していた狛江、祖師ヶ谷大蔵、千歳船橋に準急が停車するなど、世田谷区内の利用者の利便性にも配慮が払われている。ダイヤ改正前に関係者が「不動産価格に影響を与える」と言った通り、世田谷のマンション価格に上昇傾向の影響が出るかもしれない。

そんなわけで、小田急の2018年3月ダイヤ改正は、全方位にわたって工夫された意欲的な内容であることが判明した。特に、今回の改正で千代田線直通の拡大など輸送力の大幅アップを実現しただけでなく、相鉄の都心直通という数年先の変化を見据えて「先手を打ってきた」というのは意外であった。

もちろん、通勤通学客の流動というのはまさに流動的であり、実施後にさまざまな修正を繰り返していくことになるのだろうが、とりあえずは3月の新ダイヤへのスムーズな移行を期待したい。

マネマガ
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引用元:東洋経済オンライン

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