不動産市場、暴落突入の予兆…住宅余剰と賃貸空室率の高さが異常水準、個人所得減が鮮明|マネブ

マネブNEWS:〔2018.08.11〕安倍政権、強力指導で不動産市場から資金流出加速… 現在の記事数:285310件

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不動産市場、暴落突入の予兆…住宅余剰と賃貸空室率の高さが異常水準、個人所得減が鮮明


マイナス金利について答弁する黒田日銀総裁(画像:ロイター/アフロ) アベノミクスと呼ばれる経済政策が行われて、すでに3年以上が経過した。果たして、アベノミクスとはなんだったのだろう。そして、現に行われていることにどういう意味があるのか。さらに、不動産市場にいかなる影響を与え、未来をどう導くのか――。

 そもそも、2013年に始まったアベノミクスでは以下の「3本の矢」が示されていた。

(1)大胆な金融緩和(2)機動的な財政政策(3)民間投資を喚起する成長戦略

 現在では、それがいつの間にか次の「新3本の矢」にすり替わっている。

(1)2020年頃に名目GDPを600兆円にする(2)希望出生率1.8を20年代初頭に実現する(3)20年代中頃には介護離職をゼロにする

 まず、最初の3本の矢のうち(1)は今も継続中。「大胆」というよりも「異次元」もしくは「未曽有」の規模であり、「史上初」のマイナス金利にまで至っている。(2)はそれなりに実行され、(3)については見るべきものがない。

 一方、新しい3本の矢について、ほぼ不可能な「努力目標」にしか見えない。

 つまり、アベノミクスとよばれる経済政策のなかで、曲がりなりにも具体的に実行されて今も続けられているのは、「大胆な金融政策」のみである。あとは、いずれの政権でもよくあるただのスローガンでしかない。  ところが、アベノミクスはこの大胆な金融政策が大いに成果を上げたようなカタチになっている。日本銀行の黒田東彦総裁は、白川方明前総裁の方針を180度転換して異次元金融緩和を行った。市場に供給するマネタリーベースを3倍以上に増やし、日銀自ら株式同様のETF(上場投資信託)を買い、不動産を証券化したリートまでもを直接購入している。

 その結果、80円前後だった対ドルの外国為替相場は一時期120円台半ばまで下落。株価も日経平均が一時的に2万円を超えた。企業業績は輸出系を中心にして好転。倒産は少なくなり失業率も下落し、人手不足が叫ばれている。

個人所得は実質マイナス

 しかし、一般庶民レベルではちっとも好況感がない。ウハウハとしているのは、都心の一部不動産業者と復興需要に沸く東北エリアの建設業者くらいなもの。日本人の9割以上が景気はいいとは思っていないのではなかろうか。

 それもそのはずで、統計数字に見る個人所得はちっとも上がっていない。むしろ、公共料金の引き上げや若干の物価高、そしてなによりも消費増税によって実質的には減少しているといっていい。 黒田総裁の異次元金融緩和は、円安と株価上昇という一面の目標は達成した。さらに、円安に伴って企業業績の回復にはそれなりに貢献したが、インフレは導けていない。さらには、最終目標である個人所得の上昇には失敗したといっていい。

 企業は儲かっても、それを社員には分配せずに内部留保に回しているのだ。だから、企業の内部留保残高は過去最高水準に達している。

 実のところ、アベノミクスは大失敗していてもおかしくなかった。今もって、あたかも成功したかのように見えているのは、大変な幸運に恵まれたからだ。

 その幸運とは、世界的な資源価格の下落である。原油価格は最悪期を脱したようにみえるが、いまだに最盛期の半額以下である。その結果、日本は黒田日銀総裁が望んだようなインフレには至らなかった。

 場合によっては年率3%以上のインフレを生起した可能性もある。それでいて今のように個人所得が上がらなければ、庶民の生活は苦しくなるばかり。安倍内閣への支持率は下がり、社会不安さえ生じさせていたかもしれない。安倍政権と黒田総裁は、皮肉なことにインフレを招かない原因となっている資源価格の下落に助けられているのである。

 ところが、黒田総裁は自ら掲げた目標である「2%の物価上昇」と、古巣である財務省の消費増税方針をサポートするために、異次元金融緩和を第2弾、第3弾とすすめ、とうとう日本金融史上初のマイナス金利まで導入した。

バブル崩壊後の風景

 その結果、何が起こっているのか。

 物価上昇につながっている気配はまったく感じられない。それよりも、「これ以上の緩和はないだろう」という空気が広がり、株価は下落して外国為替市場では円高傾向が鮮明となった。

 そして、日銀による国債の強制的な買い上げによって銀行の資産勘定には金利を生まない現金が積み上がった。銀行は少しでも金利を得るために、不動産融資に対する審査基準を大甘に緩和。その結果、日本の不動産市場の一部はバブル化した。

 すでに15年の段階で、不動産を担保とした融資残高はあの平成バブルの規模を超えている。これをバブルといわずして、なんといえばいいのか。

 平成バブルが崩壊した後、まずは住宅専門金融会社(いわゆる住専)の不良債権が問題化した。その数年後、北海道拓殖銀行などの大手金融機関が相次いで倒産。さらには都市銀行をはじめとした大手金融機関の統合が行われた。現りそな銀行には政府の資金が大量に注入され、実質的に「国有銀行」になっていた。 今回、このバブルの宴が終わった後にはどんな光景が待っているのだろう。

 日本の人口は減っている。住宅は大量に余っている。賃貸住宅の空室率は異様なほどに高水準。オフィス需要にも頭打ち感がある。インバウンド向けのホテル用地は、便利な場所に限られる。そして、東京には五輪後に大きなイベントがスケジュールされていない。

 バブルは必ず弾ける。余っているものの価格は下がる。15年の労働者派遣法の改悪などをみる限り、個人所得が伸びる兆しは乏しい。

 アベノミクスは5年後、10年後、厳しい評価を受ける可能性が高い。我々は、今からバブルの崩壊に対して身構えるべきだろう。(文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト)

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引用元:ビジネスジャーナル

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