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次なる「政治的ショック」は英国で起きる新党が躍進するチャンスが訪れている


英国では政界再編の機運が高まっている(写真: Neil Hall/ロイター)

われわれが生きているのは政治的な戦国時代である。生まれて1年経つか経たないかという新党がフランスと東京都の選挙で勝利した。米国のホワイトハウスには新参者が居座っている。次なる政治的ショックはどこで起きるのか。答えは、英国である。

英国はEU(欧州連合)離脱の混乱に直面しているにもかかわらず、既存政党の再編を口にする者はいない。ブレア元首相は、労働党を親欧州的な中道路線に刷新し、3度の総選挙で勝利をもたらした人物だが、「新党の必要性を主張しているわけではない」と、慎重な姿勢を崩さない。

政界再編の機運が高まっている

だが、ブレア氏のような人たちが、まさに政界再編を訴えるべきなのだ。なにしろ過去40年で、今ほどその機運が高まっているときはない。EU離脱を決めた昨年6月の国民投票、そして与党保守党が議席減の屈辱を味わった今年6月の総選挙という2度の政治的ショックの余波に、英国政治は今も揺れている。新党が躍進するチャンスが、そこにある。

もちろん、小選挙区制は既存政党にとって大きなアドバンテージだ。新党は巨額の資金と労力を投じ、相当数の票を獲得できたとしても、支持者が全国に広く散らばりすぎていて、一握りの議席を獲得するのが精いっぱいだと知ることになるかもしれない。

これこそ、かつて新たな中道政党が戦いを挑んだときに起きたことだ。1980年代初頭、左派陣営が力を持ち、反欧州色を強める労働党から重鎮4人が離党し、社会民主党(SDP)を立ち上げた。自由党と選挙協力を行ったSDPは、不人気だった初期サッチャー政権の経済政策に助けられ、1983年の総選挙で25%の票を獲得した。だが、得られたのはわずか23議席。後は凋落の一途をたどったのだ。

これは政界刷新の希望をくじく記憶だ。労働党には、大衆的人気を誇るコービン党首の社会主義的な経済・外交政策に懐疑的な議員が多いが、彼らは主導権を奪い返すチャンスが巡ってくるのを待つのが賢い戦略だと信じている。EU離脱が英国を破滅に導くと考える保守党議員も、同じである。

しかし、SDPの歴史は違った文脈から理解されるべきだ。1982年時点において、同党は世論調査で50%を超す支持率を得た。そこに起きたのがフォークランド戦争で、これが総選挙でサッチャー氏の保守党に圧勝をもたらした。

今は労働党にも保守党にも、選挙で大勝する望みはないように見える。6月の総選挙では、20ポイントもあった保守党のリードは一夜にして消えうせたかのようだった。有権者、特に若者が労働党に票を投じたからである。つまり、新党が支持を得るチャンスは大きい。

EU離脱は英国人の最大の関心事ではない

6月の総選挙については、もう1つ大事な教訓がある。EU離脱は英国人にとって最大の関心事ではないということだ。コービン氏の労働党はEU離脱について、メイ首相の保守党と同じ方針を掲げて選挙を戦った。だが雇用、医療、教育といった争点においては、両党のスタンスは対照的だった。

つまり、新たな政治ムーブメントが既存政党を打破するには、何にも増して公共サービスや経済の立て直し、政治的信頼の回復を御旗に掲げるべきなのだ。EUとの関係は、この目的を達成する手段に位置づけられるべきであり、それ自体を目的とすべきではない。

数カ月後には、政界再編の動きが現れる可能性はある。まず保守党がEU離脱をめぐる主導権争いと内部対立で疲弊するか。次にEU離脱問題をめぐって、50人を超す議員がコービン党首に反旗を翻した労働党内の混乱がエスカレートするかどうか──。これらが事の成り行きを左右する。

マネマガ
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引用元:東洋経済オンライン

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