豊臣秀吉は「ズバ抜けて出世する人」の典型だ「人たらし」だけじゃない!5つの秘密とは?|マネブ

マネブNEWS:〔2017.01.20〕「ほめ方が下手な人」に共通する残念な考え方自分目 現在の記事数:219729件

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豊臣秀吉は「ズバ抜けて出世する人」の典型だ「人たらし」だけじゃない!5つの秘密とは?


豊臣秀吉は、なぜここまで「大出世」できたのでしょうか(写真:AFLO)下克上が世の常だった戦国時代には、自らの才能を武器に「大出世」を実現した英雄は数多い。その中でも、「半農の下級武士」という低い身分から最終的に「天下人」まで上り詰めた豊臣秀吉は稀有な例であり、「日本史上、最も大出世を遂げた人物」のひとりと言っても過言ではない。大出世を可能にしたのは、「人たらし」の異名を持つ天才的な人心掌握術が一因だが、それだけが原因とは考えにくい。秀吉の出世の裏には「他の要因」も存在していた。「日本史を学び直すための最良の書」として、作家の佐藤優氏の座右の書である「伝説の学習参考書」が、全面改訂を経て『いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編』『いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編』として生まれ変わり、現在、累計17万部のベストセラーになっている。本記事では、同書の監修を担当し、東邦大学付属東邦中高等学校で長年教鞭をとってきた歴史家の山岸良二氏が、「秀吉の大出世」を解説する。戦国時代、最も出世した人物は誰?『いっきに学び直す日本史』は「教養編」「実用編」合わせて17万部のベストセラーになっている(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

15世紀中頃に起きた「応仁の乱」をきっかけに、約150年にわたる長い戦乱が続いた戦国時代。足利幕府の弱体化とともに、全国各地では「下克上」の名のもと群雄が割拠し、やがて「戦国大名」と呼ばれる独自の地方権力が誕生します。

そんな戦国大名の中には、異色の経歴を持つ人物も少なくありませんでした。たとえば、後に小田原を根拠地に関東を支配した北条早雲は、元の名は「伊勢長氏(盛時という説もある)」といい、出自にも諸説あります。また、美濃一国を支配した斎藤道三は「油売りの行商人」だったとも言われており、彼らは自らの才覚によって大きな出世を遂げました。

そうした中でも、豊臣秀吉は「自らの才覚で大出世した」最たる例と言ってもいいでしょう。「半農の下級武士」という低い身分に生まれながらも、ついには「天下人」として頂点を極めます。間違いなく、「日本史上、最も大出世を遂げた人物」のひとりです。

豊臣秀吉は、なぜここまで出世できたのか。その要因のひとつに「人たらし」があげられますが、それだけでは天下をつかむことはできなかったはずです。

今回は「秀吉の大出世」をテーマに、彼がいかに天下人となりえたのか、その理由について解説します。

今回も、よく聞かれる質問に答える形で、解説しましょう。

秀吉が「信長の後継者」になれた理由

Q1. 戦国時代、「大出世を遂げた人物」の例を挙げてください

冒頭の北条早雲、斎藤道三のほか、「珍しい出自の戦国大名」は数多くいます。

たとえば、豊臣秀吉の子飼いの武将として知られる加藤清正の生家は「刀鍛冶」で、福島正則は「桶屋」の出身とも言われています。また、関ヶ原の戦いなどでも知られる小西行長の生家は「堺の商人」、安国寺恵瓊(えけい)は臨済宗の「僧侶」でした。

ただ、いずれも彼らの最終的な地位は「大名」であり、秀吉のように「天下人」として頂点を極めた例は、ほかにありません。

Q2. 豊臣秀吉はどんな人物ですか?

1537年、尾張国(愛知県)中村郷の下級武士(農民とも)、木下弥右衛門の子として生まれ、放浪生活等を経て織田家に仕えました。

最初は、織田信長の単なる雑用係でしたが、早くから才能を発揮し、1582年に信長が「本能寺の変」に倒れると、その「実質的な後継者」として天下統一を完遂する中、関白として豊臣政権を樹立します。

さらに、秀吉は明国征服をもくろみますが、その途中の1598年、62歳で死去しました。

Q3. 信長の死後、なぜ秀吉が「後継者」になれたのですか?

「信長の仇を討った当人だった」ことももちろんですが、「本能寺の変」の時点で、織田家「重臣」の地位にあったことが大きいと思います。

ただし、このとき彼と同様に重臣だった武将は、ほかにもいました。なかでも最も強力なライバルは柴田勝家でした。

柴田勝家は古くから織田家に仕える有力家臣で、実績も十分あるほか、妻が信長の妹でもあったため、本来なら勝家が新たなリーダー役として最有力候補だったのです。

しかし、「同じ重臣の立場」にあった秀吉は、巧みな「人たらし」により家中の主導権を握り、信長の実質的後継者となりました。

Q4. では、「人たらし」が大出世のすべての要因ですか?

いいえ。それはあくまで要素のひとつにすぎません。

さらに言うなら、豊臣秀吉が「半農の下級武士」から「天下人」まで、たぐいまれなる大出世を遂げるためには、ほかにいくつもの要因が不可欠でした。それこそが、彼の奇跡的な出世を実現した「本当の秘密」と言えるでしょう。

豊臣秀吉の「大出世」を実現させたものとは何か? 彼には「生まれ持った資質」と、それを最大限に生かすための「環境」があったと思います。

大出世に必要なのは「環境+才能」

では、秀吉の才能を開花させた「環境」とは何だったのか。

【1】「時代」に恵まれ、「転職」も自由だった

彼の生まれた戦国時代は、激しい戦乱が続く中で、身分や出自に関係なく「能力次第で大名にもなれるチャンス」がありました。もし彼が平和な時代に生まれていたら、能力を発揮する場もなく、出世とは無縁の平穏な一生を送ったことでしょう。

また、この時代は「出仕する家を選べる自由」が比較的あり、自分が納得いく主君を探すことが可能でした。

秀吉が最初に仕官したのは今川家の家臣・松下嘉兵衛之綱(ゆきつな)だったとされています。しかし、ほどなくして故郷の尾張へ戻ると、運命の主君・織田信長に出会います。

【2】自分に「最も適した職場」に就職した

「織田信長との出会い」は、彼の運命を大きく決定づけました。

当時の織田家はまだ弱小ながらも急成長を遂げており、新たな当主の信長は「実力主義」を徹底、出自を問わず「能力のある人材は積極的に登用」しました。

柴田勝家や丹羽長秀、前田利家など優秀な譜代家臣のほか、新参の明智光秀、細川藤孝(幽斎)など実力のある人材があふれ、切磋琢磨していきます。

そして、慣習にとらわれない柔軟な発想で天下統一という「壮大なビジョン」を掲げた主君のもとで、秀吉は大いに働きがいを感じたはずです。

【3】戦闘に明け暮れ、「手柄」のチャンスが多かった

天下統一を目指す信長には、武田、朝倉、本願寺、毛利といった強敵がつねに立ちふさがり、多方面で絶え間ない戦闘を余儀なくされていました。

こうした中で、秀吉も「突出した実戦の機会」に恵まれ、功名を立てる絶好のチャンスにあふれていました。これを着実にものにしたことで異例のスピードで昇進し、ついに「織田家重臣」の地位を得たのです。

こうした「恵まれた環境」の中で、秀吉の持って生まれた才能がいかんなく発揮されたわけですが、ではその「才能」とは何だったのか。

秀吉といえば、「人たらし」が有名ですが、それだけではなく、秀吉は「人を使う」こともうまかったのです。

【4】能力ある部下に「適材適所」で実力を発揮させた

秀吉は「有能な人材」を見い出し、「適材適所」で個人の能力を発揮させました。

秀吉自身、本来ならほとんど出世の見込みがない低い身分から大抜擢された経験から、彼もまた出自にとらわれない「能力重視の人材登用」に積極的でした。

このため、秀吉の率いる軍団は織田家随一の精強さを誇り、「本能寺の変」のあと、天下統一の事業を続ける大きな力となったのです。

【5】ライバルを懐柔し、絶妙の「バランス感覚」で人材を登用した

天下統一を成し遂げてからも、絶妙なバランス感覚で人材を配置しました。

徳川家康のような「ライバル」も懐柔して取り込み、大大名を「五大老」として政権中枢に据える一方で、石田三成ら実務に長けた逸材を「実質的な政権運営者」として「五奉行」に任命。豊臣家の支配を磐石なものとしました。

「時代」を味方につけて、「才能」を開花

秀吉は当時最強の織田家を率いる信長のもとで、軍事に関する知識はもちろん、これに付随する政治、外交、経済など幅広い知識を学びました。

そのため、「大名の一家臣」という立場にもかかわらず、そこで体得した「天下人に必要なあらゆるノウハウ」は、信長に次ぐリーダーとなった時点で、ほかの有力大名をはるかに凌いでいました。これに自らの得意とする「人たらし」も活用しつつ、ついに天下統一を成し遂げました。

このように、秀吉が大出世を実現するには、チャンスをものにできる才能や実力といった「個人の資質」だけでなく、自分をさらに成長させてくれる「最も適した環境」も必要だったのです。

現代に生きる私たちにとっても、「出世」は身近かつ非常に重要な関心事のひとつです。

秀吉が歴史的人物の人気ランキングでつねに上位にあるのも、彼の「異例な大出世」に対する尊敬と憧れが多分に含まれているからだと思います。

日本史には、秀吉のように「出世を遂げた人物」や、逆に「道を誤り失脚した人物」が多数登場します。

ぜひ先人たちの「成功」と「失敗」を学び、現代に生きる私たちの「処世術」に応用してください。歴史は、いまを生きるための「知恵の宝庫」ですから。

マネマガ
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引用元:東洋経済オンライン

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