乗り換え改札設置「下北沢駅」は不便になるかメトロ・都営の「壁」撤去の流れには逆行?|マネブ

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乗り換え改札設置「下北沢駅」は不便になるかメトロ・都営の「壁」撤去の流れには逆行?


小田急線下北沢駅の構内。左前方に京王井の頭線との乗り換え通路があるが、新駅舎完成後は改札を出ての乗り換えとなる(記者撮影)

今年3月の複々線化完成に向け、最後の工事が続いている小田急電鉄小田原線の世田谷代田―東北沢間。同月に行われるダイヤ改正で朝ラッシュ時の列車が大増発され、首都圏でもトップクラスの混雑が大幅に緩和されることが期待されているが、同区間にある世田谷代田・下北沢・東北沢の3駅も、これまでの「仮の姿」からいよいよ「本来の姿」へと形を変える。

2013年3月の地下化以来、地上を走る京王井の頭線との乗り換えが不便になったと指摘されることの多い下北沢駅は、現在のホームの1層上にもう一つのホームが完成し、各駅停車と快速急行・急行などが別々の階から発着する形に。現在は計8基のエスカレーターも11基に増強されるという。

乗り換えで長年同駅を利用してきたという女性は「ホームから地上までのエスカレーターが混んでるから階段を使うことが多くて、おかげですっかり足腰がきたえられちゃった」と苦笑いするが、春以降はその苦労も軽減されそうだ。

「改札を出て」乗り換える形に

だが、小田急線と井の頭線の乗り換えが今より便利になるかどうかは何とも言えない。2019年春に完成する予定の新しい駅舎では、これまで改札を通らず直接乗り換えが可能だった両線の間に、新たに改札が設けられるからだ。

現在、下北沢駅には4つの出入口がある。小田急線の地上跡地をはさんで南北に「仮南口」と「仮北口」、京王井の頭線ホームの吉祥寺寄りにある「西口」、そして2017年10月末に新設された「南西口」だ。現時点では、両線の利用者はどこからでも出入りできる。

しかし、2018年度中に予定されている新駅舎の完成後は、現在は改札内でつながっている小田急と井の頭線の駅が分離される予定だ。新たに両線の「中央口」改札が通路をはさんで向き合う形で設置され、一旦改札を出て乗り換える形となる。

工事中の下北沢駅舎2階からコンコースを見下ろしたところ。幕で覆われている壁面はガラス張りとなり、通路沿いに商業施設が入る予定だ(記者撮影)

新しい駅の構内図は、下北沢駅付近の地下化に関する情報を発信する小田急の情報誌「シモチカナビⅡ」の2017年7月号(vol.18)に掲載されており、情報が公開されていないわけではない。だが、新駅舎の完成後は乗り換えに改札通過が必要になることを大きく告知しているわけではないため、同駅の乗り換え利用者でも知らない人が多いようだ。

地下化される前から十数年間、通勤で利用してきたという女性客は「ただでさえ地下になって乗り換えに時間がかかるようになったのに、改札ができたらさらに面倒になる」。別の男性は「ラッシュ時は相当混雑しそう」と予想する。一方で、「今はPASMO(ICカード)だから改札があってもそれほど面倒じゃない。通路がごちゃごちゃせずわかりやすくなるなら別にかまわない」という利用者もいた。

なぜ改札がなかったか

一般的に、異なる鉄道会社同士の乗り換えは一旦改札を出るか、または乗り換え用の改札が設けられている場合が多いが、下北沢駅では歴史的な経緯もあり、これまで改札を通過せずに乗り換え可能な形が続いてきた。

下北沢駅が開業したのは1927(昭和2)年。まず小田急線(当時は小田原急行鉄道)が開通し、その後1933(昭和8)年に井の頭線が開通したことで乗り換え駅となった。両線の連絡通路に改札が存在しないのは、井の頭線が小田急系の「帝都電鉄」として開業し、のちに小田急の路線となったためだ。同線は戦時体制下での私鉄各社の合併、さらに戦後の分離を経て京王の路線となったが、改札なしで乗り換えられる形はそのままだった。

これまで改札を通過せず乗り換え可能だった駅に新たに改札を設ける例は、小田急線のほかの駅にも存在する。相模鉄道(相鉄)と小田急江ノ島線が接続する大和駅(神奈川県大和市)だ。設置の目的は、相鉄が2019年度に予定しているJR線との直通や、2022年度に予定している東急線との直通運転に備えて乗車経路を明確にする必要があるためで、2018年3月から乗り換え改札の利用を開始する予定だ。

だが、小田急線と井の頭線は新たに乗り入れ路線が増えるわけではなく、新駅舎完成後もこれまでと特に変わりはない。新たに改札を設けることについて、小田急は「これまで古くからの名残で改札がなかったが、ICカードの普及が進んだことで、改札を設けても今までの利便性を大きく損なうことはなくなった」と説明する。

小田急線と井の頭線の乗り換えだけでなく、これから下北沢駅は駅とその周辺が大きく変貌する。今年3月25日には、地上時代から待ち合わせの人などでにぎわった南口(正確には「仮南口」)が廃止される予定。2018年度中を予定している新駅舎の完成後、小田急線の駅出入口はすでに完成している「南西口」と、井の頭線との乗り換え口となる「中央口」、そして現在の駅東側、かつての線路跡付近に新設される駅前広場(交通広場)に面した「東口」の3カ所となる予定だ。

広場や接続する道路の整備を進める世田谷区によると、広場のスペースは現在の南口付近までつながった形となる計画で、南口が廃止されても駅南側への利便性は確保されそうだ。だが、同区によると広場を含む都市計画道路事業は2021年度いっぱいまでの予定で、広場の完成は2022年春となる見込み。駅周辺を含め、長く続いている各種の工事が完全に終わるまでにはまだしばらく時間がかかりそうだ。

減った客足は戻るか?踏切跡から見た、地下化直後の小田急線下北沢駅地上ホーム跡(2013年4月、記者撮影)

「若者の街」や「演劇の街」などとして知られ、独特の雰囲気が人気を集める下北沢だが、駅の利用者数は小田急線地下化直後の2013年度に、同線・井の頭線とも前年度比で約8%減少。2016年度は小田急線が前年度比0.7%増の11万4922人、井の頭線が0.9%増の11万4452人で両線ともやや上昇傾向にあるものの、地下化以前の水準には達していない。

乗り換え客の減少とともに「駅周辺工事が長く続いていることで、立ち寄りづらいというイメージもあるのではないか」(地元商業関係者)との声もある。だが、地下化による「開かずの踏切」解消で、「南北の通行がしやすくなったのは大きなメリット」(地元住民の男性)。かつては線路によって分断されていた街の回遊性が向上したこともまた事実だろう。

新駅舎の完成、そして駅前広場の整備と大きな変化が続く下北沢駅とその周辺。若者をはじめ、多くの人をひきつけてきた街の魅力をこれからも維持し続けられるか、今後の再開発の進展が注目される。

マネマガ
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引用元:東洋経済オンライン

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