遠藤保仁が「ルーティン」をもたない深い理由「今、この瞬間」に集中するための思考|マネブ

マネブNEWS:〔2018.07.19〕18日の債券市場見通し=株高が逆風で軟調地合い 現在の記事数:262852件

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遠藤保仁が「ルーティン」をもたない深い理由「今、この瞬間」に集中するための思考


サッカー遠藤保仁選手の発想術に迫ります(撮影:佐藤亮)ビジネスの世界でもスポーツの世界でも、ルーティンにこだわる人は多い。しかし、サッカー日本代表の国際Aマッチ出場数最多記録保持者である遠藤保仁選手(新刊に『「一瞬で決断できる」シンプル思考』)は「あえて」ルーティンをもたないという。いったいなぜか? 遠藤選手に聞いてみた。

ふだんの生活の中で、ルーティンをもっている人も多いと思います。仕事に関係するところでは、「毎朝、通勤は同じ時間、同じ車両に乗る」「朝いちばんの仕事はメールの返信から」といった感じでしょうか。

スポーツ選手の中には、ルーティンにこだわりがある人も多いという話を耳にします。代表的なのは野球のイチロー選手でしょう。朝食のメニューから球場入りする時間、ストレッチの仕方まで一定のルーティンがあるといいます。打席に入るときも、屈伸運動をしたり、バットを立てたり、袖を上げたりといった動作もルーティンと言われていますよね。

サッカー選手でもルーティンを大事にする選手は少なくありません。ピッチに入るときは必ず右足から入るという人もいるし、テーピングをするタイミングが決まっている人もいる。また、試合前のストレッチは毎回、同じ順序、回数、時間ですることを徹底している選手もいる。日本代表の長谷部誠選手も、著書『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』によると、「1日30分、心を鎮める時間をつくる」など、いくつかのルーティンをもっていると書いています。

しかし、僕は昔からルーティンをもったことがありません。

テレビなどで僕が試合のハーフタイムにシャワーを浴びるのを見た人の中には、あれはルーティンではないのかと思う人がいるかもしれませんが、シャワーは熱くなった体をクールダウンし、精神的にもリフレッシュするのが目的です。野球のピッチャーが登板後に肩やひじをアイシングする感覚に近いと思います。

もし監督から「ハーフタイムにシャワーを浴びるな」と言われれば浴びるのをやめるし、それならそれであきらめがつきます。

ルーティンにとらわれてしまう!?

僕がルーティンをもたないのは、どんな状況下でもベストのパフォーマンスを発揮したいから。ルーティンをもってしまうと、それができなくなった場合、リスクのほうが上回ると考えています。

たとえば、試合前のストレッチのルーティンが決まっていて、毎回、30分かけてメニューをこなしている選手がいるとしましょう。ところが、道路が渋滞していて、会場到着が試合開始の10分前になってしまったらどうでしょうか。実際、海外の試合では、さまざまな事情で、予定どおりの時間にスタジアムに到着できないことは少なくありませんからね。

試合まで10分しか残されていない状況になれば、当然、30分のストレッチをこなすことは不可能です。このとき、ルーティンをこなさないと気がすまない選手は、不安な精神状態に置かれるはず。表面上は平常心を保っているように見えても、「今日はルーティンができなかった。ベストのパフォーマンスができるだろうか……」という思いが、心の片隅に残るのではないでしょうか。

サッカーはメンタルの状態でプレーの出来が大きく左右されます。そのため「大丈夫だろうか……」と自信のないまま試合に入ってしまえば、消極的なプレーしかできず、低パフォーマンスやミスにつながりやすいのです。

一方、ルーティンをもっていなければ、どんな状況でも一定のメンタルで試合に入ることが可能となります。試合開始の10分前にスタジアムに到着しても、その時間内でできるかぎりのストレッチをし、最善の準備を淡々とこなすだけですからね。

もちろん、僕はルーティンを否定しているわけではありません。イチロー選手、ラグビーの五郎丸選手、長谷部選手のように、ルーティンをもっていることでベストパフォーマンスを発揮できる一流選手も実際にいます。

だからスポーツ選手に限らず、ビジネスパーソンの方でも、ベストパフォーマンスを出すためにルーティンが必要なのであれば、こだわっていいと思います。ただし、ベストパフォーマンスをルーティンが支えるような関係になると、ルーティンが崩れたときはパフォーマンスが低下してしまう可能性が出てくるように思います。

そのため、ルーティンに縛られるくらいなら、あえてもたないのも、ひとつの選択肢であるというのが僕の考え方です。そのほうが、今、この瞬間に集中・専念できるはずだからです。

遠藤流「冷静さを保つ」極意

そのときの状況に合わせて、シンプルに考えるのが僕のやり方です。そうすると、周囲の影響を受けてパフォーマンスの質が低下することはそうそうありません。どんな状況にあっても、いつもの自分でいる感覚を大事にするということでしょうか。

これまで僕が積み重ねてきた経験でいえば、ふだんの練習どおりにプレーをすることが、最もいいパフォーマンスにつながります。

もちろん、サッカーは勝負事なので、どんな試合でも「絶対に負けない」という強い気持ちで臨んでいます。「遠藤は試合中に飄々(ひょうひょう)としているな」といわれますが、それは僕がただ感情を表に出さない性格というだけで、いつだって「負けたくない」と思っているのが本当のところです。

また、闘争心を表に出すどころか、試合中に笑うこともあるので、人によっては「気合いが足りない」「もっと本気でやれ」という印象を与えるときがあるかもしれませんが、これも僕は冷静さを失わないために、あえてプレー中でも笑顔でいることを心掛けるよう意識しているからなのです。

苦しいときやうまくいかないときに一度、笑ってみると、自然と冷静になれるものです。そのメカニズムまではわかりませんが、笑顔になることで心に余裕が生まれて、視野が広くなる感覚があります。

また、笑顔を見せることで、心理面で敵チームより優位に立てるというメリットもあります。後半の正念場ともいえる時間帯に笑っていたら、「あいつ、まだ余裕があるのか。やばいな」と敵の選手は思うのではないでしょうか。逆に、イライラしている顔や疲れている顔を見せたら、「あいつは余裕を失っているからチャンスだ」と敵に思われ、不利な状況に陥りかねない。試合中にミスをしたときも、落ち込んで次のプレーに影響が出るくらいなら、あえて笑顔をつくって思考を切り替えたほうがいいというのが僕の考え方です。

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サッカーでは、いかに個人のミスをチームでカバーできるかが勝敗を決めるといえます。組織力があるチームは、ミスをお互いにカバーし合っているものです。失敗してヘラヘラしているようでは困りますが、周囲は「いいよ、気にするな」「ナイストライ」と声をかけてあげて、それに対して失敗した本人も笑顔を見せて気持ちを切り替えて次のプレーに集中する。そんなチームだからこそ、みんなが最後まで、全力で、冷静に戦うことができるように思います。

ビジネスの世界や人生でも同じではないでしょうか。疲れた顔やイライラした表情をしていたら、その人のまわりに人も情報も集まってこないはずです。反対に、いつも明るく振る舞っていると、何かと助けてもらえたり、チャンスとなりうる誘いの声をかけてもらえたりする、そんな気がします。また、そんなことは当たり前だと思われているため、多くの方々が見逃しがちなのも事実です。ですから、最初は慣れないので大変かと思いますが、つらいときほど笑顔を意識してみてはいかがでしょうか。

マネマガ
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引用元:東洋経済オンライン

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